珈琲ゼリーの食べ方は・・・

日常の所作の中で、
自分がごく当たり前と思っていて、
きっと他の人たちも同じようにしているだろうと、
勝手に思い込んでいたら、
実際は自分のやり方
(もちろん他の人のやり方も)
とても個性的なやり方だったということがよくあります。

中学生の頃、休み時間に数人の友だちと
他愛もない話をしていて
ふと、お風呂の話題になってある男の子が
湯船の中ではいつも正座をしていると知って
私も周囲の友だちもとても驚いたことがありました。
私たちも驚いたのですが、
驚かれた男の子も、みんな当たり前に湯船では正座をしているもの
と思い込んでいたから
「え?みんなどんな姿勢で入っているの?」
なんて、目を丸くしていたっけ。

そういう、ちょっとした、
だけど衝撃に近い驚きを
人生の一番初めに味わったのは
多分、珈琲ゼリーの食べ方です。

珈琲ゼリー、
と言っても私が幼かった当時は種類も少なく
3連の花形をしたプラスチック容器に
入ったものが主流でした。

珈琲は大人の飲み物だから…と固く禁じられていたのに
珈琲ゼリーは食べても良いという
我が家の不思議なルールのもとに
毎年夏が来ると、
私は冷たくてつるんとした喉越しと
たらりとかけたミルクの白と
ゼリーの濃い漆黒が
プラスチック容器の中でぐるぐると混じり合っていく様を
楽しみながら食べていました。
そんなふうに珈琲ゼリーは容器の中で
ミルクとゼリーをかなりよく混ぜて、
ほとんど飲むようにして食べる、
と信じていた私が
湯船で正座の男の子のような
衝撃に近い驚きを味わったのは
幼なじみのみいちゃんの家でした。

暑い夏の午後、いつものようにみいちゃんのおうちで遊んでいた私たちに
お母さんがおやつに出してくれたのが、
珈琲ゼリーでした。
みいちゃんのおうちは、
その頃では珍しくグッピーという熱帯魚を飼っていて、
飼ってもせいぜい出目金の我が家とは違い
何だかとてもハイカラでした。
涼しそうに青い尾ひれをキラキラさせて泳ぎ回るグッピーを見ながら
出されたおやつのうれしさあまり、
いち早くふたを開けてぐるぐる混ぜ始めた私。
一緒に出された平たいお皿を
『何に使うのかな?』と少し気にしつつも
心は珈琲ゼリーに奪われスプーンを握りしめていました。

その様子を隣で見ていたみいちゃんが
「ユミちゃん(←私です)の食べ方っておもしろいね。」と言いながら、
花形の容器をひっくり返して、ぷちっと音をさせました。
先ほどの平たいお皿につつつっと出てきた漆黒のゼリーが、ふるふるしています。
みいちゃんは涼しげな顔で
その上からミルクをそおっとかけて
スプーンで一口一口すくって食べているではありませんか。

汗ばんだ頬に張り付くおかっぱの髪の毛さえも不思議と大人びて見えて、
自分の食べ方が本当に本当に恥ずかしくて、
みいちゃんの顔をまともに見れず、
とにかく早くこのゼリーをなくしたい思いで
やっぱり飲むようにして食べたのを覚えています。
目の前の水槽越しに
グッピーにさえも笑われたような気がした
暑い夏のちょっぴり苦くてかわいい思い出です。

皆さんはどんな食べ方で珈琲ゼリーを召し上がりますか?

アーセンプレイス。
秋谷店では季節のスイーツに珈琲ゼリーが登場しています。
オーナーがゼリー用に自家焙煎した豆を
いつもよりも濃い目に落とした珈琲で作るゼリーは絶品!!です。

逗子店では、スイーツ3点盛り合わせでお選びいただけます。
もちろん、ランチのスイーツセットでも!
きっと、どんな食べ方でも
この夏の思い出のスイーツになることと思います。(yumi.m)

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